辿り路23 ~何度目かの目的地~
グレン王は正気に戻り…開戦宣言は撤回された事で、城の中も町の中でも、皆がどこかホッとした様子…。
王の命令にと不安になっていた民達もすっかり安心した様子で日常にと戻っている。
心無しか初めてこの地へ来た時よりも明るい様子に見える通りを抜け、ユイナ達は次の土地へと向かうためにと駅へと入る。
「今度こそ! 今度こそガタラへ!」
チケットは間違いなくガタラへと購入し、箱舟へと乗り込む…。
ガタラを目指して乗り込む事数度…間違えて降りた土地での問題をと解決し、手元のキーエンブレムは4つ…。
箱舟にと乗り込むと、お弁当を持って現れる賢者ホーロー。
彼が言うには、故郷を滅ぼした冥王…ソレと対峙するために必要な力を身に着けた…その目安となるキーエンブレムの取得数は6個…ユイナ達はそこまで後少しだ。
箱舟が駅へと到着し、ユイナ達は駅へと降り立つ…そこは間違いなく今度こそ「ガタラ」の町だ。
「ついた~ようこそガタラへ~」
駅を出てネネが歓迎する…と、クルリと回って両手を広げる。
「ようやく到着したね」
初めに箱舟にと乗った時から…目的地はガタラだった筈なのだ。
おかげで各地見知らぬ土地での楽しい旅と、色々な問題解決も出来たため、有意義な旅だったとは言える…。
「ここの町長とか領主とか言われるような人はお亡くなりになった後、その後継が決まってないの」
唯一キーエンブレムを持っているのが、少し先に見えた「ガラクタ城」の主…その人から譲って貰おうと言う事だ。
ただ…その相手はどうやら町の人にも「変わり者」と言われる様な人…だ。
駅から広場に出て見れば、その奥に見える彼の家は…色々な物があふれて積み重なって見える。
町で少し話を聞いてみれば、普通の人が「役に立たない」と判断した壊れた物や使い道のない…いわゆる「がらくた」を、古い新しい関係なく…遺跡の奥にまで出向いてまで拾い集めていると言う。
彼に取って「価値がある」のは人々には…一部考古学的観点から遺跡から拾って来られた物への興味を持つ人以外には「ガラクタ」だ…。
ゆえに、人々に役に立つと判断されている「お金」等の方には興味がない様子で、町の子供にはぽいぽいとお金を与えたりもしていた様…。
その上…「捨てられていた子供」までも拾って来た事があるらしい。その子供を養女にしてしっかり育てていた…と言うのだから、趣味が変わっているという以外には基本的には「良い人」なのだろう…と思われる。
とりあえず…と町を回って居れば、譲ってくれるとは思えない…そう言う理由から、交渉も諦めて他へと行く冒険者にも出会う。
そうしている内に…問題のガラクタ城で騒ぎが起こる…丁度近くに居て、様子を見て見れば、ガラクタ城から出て来たのは一人の少女…。仮面を身に着けて顔を隠し、黒い服を身に纏い…自らを「怪盗」と名乗っている…。
どうやらまさに、今…ガラクタ城から何かを盗み出した所…で、住人らしい男性が一人、追いかけて出て来る。彼はガラクタ城の主…と言う訳では無いようだ。
彼女が名前を呼ぶ所を見れば…知り合い…。追いかけて来るまでの秒数まで計っている所からすると、こうして彼女がガラクタ城から何かを持ち出すのは初めてではない様だ。
そうして彼らを見守って居れば、傍に居た人が「おなじみの光景」と言う様子で、今頃は怒っているのだろう城の主…ダストンにと面白がる様子も見せていた。
行ってみろ…そう言われ、面白がって…ではないが、元々用もあった事もあり、渦中の家へとユイナ達は訪れる。
入ってすぐ…怒り心頭…そういう様子のドワーフの男性が一人…始めは一人怒りに震えていたが、家に入ったこちらに気付くと、怒ったそのままにこちらへと向かって来る。
そのまま殴りかかろうか…と言う勢いで向かって来るところを、先ほど外で見かけた人が止めに入る。どうやら怒りの為、入って来たコチラすら見境ない程…だった様。違うと言われてやっと我に返る。
そうしてユイナ達は、彼らとやっと話をする事が出来たのだが…やはりキーエンブレムは譲ってくれそうにない。
そんなダストンに対して、助手だと言うポツコンが宥めるためにと言った言葉によって…どんな風に解釈したのか、【ガラクタ集めが趣味】と言う点で同類として認められた様…。
【助手のポツコン2号】と命名されて、彼がポイックリンから盗まれた物を取り戻す手伝いをする…そう言う事にと話は彼らの一方的な会話で決まってしまう。
ともかく…ちゃんと話を聞いて貰うためにも今は彼には落ち着いて貰うしかなく、ユイナ達は家を飛び出して行ったダストンを追いかける事にした。


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