辿り路11 ~旅立ちの先~

ユイナ

 白のキーエンブレムを手に入れた後…。七夕の里で家具も手に入れた事もあり、ルプルの案内でオルフェアの住宅街へと行ってみる。

 そこはオルフェアらしい可愛らしい様子の土地で、他の冒険者達の家が建って居たり、住宅街にも宿やお店の支店があり、職人作業の為の素材も住宅街に店がある。

 家を持って、作業台を家に置けば、職人の仕事も自宅でゆっくりできる…など利点は多いのだが、見て回った所…オルフェアの住宅街には空地はほぼなく、様子だけを見学して終わる。

「他の町にも住宅街はあるし、それぞれに雰囲気が違うから、お気に入りの景色から選んだり、場所の利便性から選んだり…別の町を訪れた時に見てみるとイイかもしれないね」

 冒険者としての歴が長いルプルの言葉に、ユイナ達も次に行く町などでも探してみると頷いた。

 そうして住宅街を見学した後…オルフェアの町を後にし、今度こそガタラへ…と箱舟にと乗り込む事にして駅へと向かう。

 ルプルとは「フレンド」として連絡先をお互い登録し合い、何か手が欲しい時には呼んで…そう言って駅で別れる。

 そうして…次こそはネネの故郷ガタラへ…と電車に乗ったのだが…次に降りるよ~とネネが箱舟を降りた先…そこでは波の音と潮の香…。

「ネネちゃん…ガタラって…海の町だった?」

 駅から出れば、広がる景色は浜辺に作られた桟橋…駅の向こうには海が広がっていて、大陸鉄道は海の上すら走っていく豪快な姿を見せる…。

「あっれぇぇ??」

 見回す所に、

「ここはジュレットや…」

 リョウが、ガタラではなくジュレットである事を告げる。

「ここでも…まぁ前に来た時に町長がキーエンブレムを持ってるとか聞いたし…ついでやから話位聞いてみたらえぇんちゃう…」

 再び目的の町ではなかったとは言え…せっかく来たのならばトンボ返しで箱舟に乗らずとも、この町でも情報を集めてみる事にとして、町へ出る。

 今までの町とは違い、海に面したその町では、どこかへの移動手段が「船」の様で、少し珍しい景色だ。

「そうだね! じゃぁさっそく!」

 それぞれに町を見て回り、何か見つけたら連絡する…と、駅前で別れる。

「あ、浜辺にも何かある」

 さっそく気になる物を見つけたネネがそう見回している間に、

「情報なら酒場…」

 リョウが正面の通りの向こうに見える建物へと歩き始める…が、

「あれは?」

 ネネが気付いて声を上げて、すぐに桟橋に居た人にと駆け寄って行く。

「この人が住宅街まで乗せてってくれるんだって!」

 すぐ近くにいた船頭にと話しかけたネネが、ユイナ達をと呼び止めた。

  オルフェアでは住宅街は買える土地が空いて居なかったため、また別の町で…と話していたばかり。ジュレットでは住宅街は船を出して貰って行き来する場所にあるらしい。

 まだ特に急ぎの用がないため、先に住宅街を見てみよう…そう言う事にして、船頭にと案内をお願いする。

 まず…と送って貰ったのは浜辺の土地…。

「海だぁ~」

「ほぉ~」

 すぐ目の前が海…浜辺の二軒以外の4軒は、海の上にと家が建つ作りになっている。

「景色イイネ~」

「一応他の地区も見てみるか」

 すぐそこの門を通れば、他の地区も見る事が出来る。ジュレットの住宅街はオルフェアとはまた雰囲気が違っている。どこの町でもそれぞれの土地の雰囲気にあった住宅街にとなっているのだが、海の見える景色には心惹かれている。

 その上に、

「やっぱり浜辺はイイね~自宅から釣りもできる…」

 海が見れるリゾート気分な上に、自宅の庭からすぐに釣りなども楽しめる…丁度空地も同じ地区に多かった事もあり、同じ地区の家を買えば、浜辺も貸し切りに近い…。

 幾つか検討した後、他の町の住宅街も見てから決めるか…そんな話も出ていたのだが、海辺の家…が皆景色的にも気に入っていて、他の住宅街の雰囲気を見学するのは行くつもりでいても、買うのは買ってしまう…と、浜辺の家にとそれぞれ決めた。

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