辿り路15 ~猫まみれ~
ヒューザはソーミャを猫島へと連れて行く事を了承し、ソーミャの方を連れて行くことになったために…と、子猫の方をユイナ達に連れて来る様にと渡したまま出て行った。
「まぁ…えぇか…」
こちらの了承など聞かずにただ言いたい事だけ言って出て行った彼の背をと見送る…。ユイナ達は鞄にと猫を入れるスペースを作ってそこに寝かせた猫をと抱えて出発する…。
猫島と呼ばれている島は、少し前に依頼で向かったラーディス王島とは途中で道が分かれた先から船が出ている。
「確かに…猫多いね」
町の外は猫の魔物が少し多い様…浜辺らしいモンスターもチラホラ見かけられるのだが、あちこちに猫の魔物がウロウロとしていた。
船着き場から船を出して貰い…到着した猫島は…。
「猫だらけ…」
見回せば、色々な種類の猫型の魔物が生息している。中には襲ってはこずに、言葉を操る者もいる様で、多種多様な猫達が暮らしている様だ。
奥へ行けばこの島の主と言える巨猫族が暮らしている場所があるらしい。とりあえず会話ができる相手…と言えば彼ら位だろうと、奥へと向かった。
道中も色々な種類のモンスター達がいるのだが、みな猫型…だ。その奥まった場所にと巨猫族の暮らしている場所はあった。
そこにある扉の向こう…話し声は聞こえるのだが、どうやら…手がかりどころか、ここが目的地として当たり…。子どもの行方…そんな話が聞こえて来る。
扉を押し開けて中にと入ると、そこに居た体の大きな猫が突然入って来たユイナ達をと追い出そうとする…そこに少し遅れて、ソーミャを連れたヒューザも到着した。
ウェディである彼の登場に、ユイナ達を追い出そうとしていた巨猫は更にいきり立つ…そんな様子。元々両種族は良い関係ではなさそうだ。
更に…ヒューザ自身が…少々口がヨロシクない…。「ブタ猫」などと相手を呼んでからかう口調な物だから、余計に相手を怒らせている風に見える…。
そんな二人のやり取りを止めたのは、部屋の奥に座っていた猫族の長らしい…キャット・マンマーだった。周りの者の様子からも慕われている長と言う様子。
何の用で来た…そう聞かれ、ヒューザが答え、ユイナ達は促されるままに連れて来た赤ちゃん猫をと差し出す。
どうやら彼女が探していた子猫は、まさしくその海辺でソーミャが見つけた子猫だったらしく、喜ぶ様子…それにユイナ達が子猫を返そうとした時だ…。
「ちょっと待ったニャア!」
それを止めたのはリベリオと呼ばれていた猫だ…。
「オレさまの計画を水のアワにする気か!?」
などと…声を上げている。
(あらあら…自らの犯行を…自白ですか…?)
あまりの興奮に、自分が何を叫んでしまっているのか…自覚がないのだろう…。
「あぁあ…」
「あちゃぁ…」
こっそりとリョウとネネも呆れた…と声に出ている…。
「ほぉう…計画とな…」
ピクリ…と眉間を引きつらせて、キャット・マンマーが低く声を出すのに、
「しまったニャ」
とやっとそこで失態に気付く間抜けっぷりだ…。
その上、
「バレちまったならしかたない」
と、自らの計画の全容を話始める…。子供を失って落ち込んでいる隙に、キャット・マンマーを倒しボスの座を奪い取る…それが彼の目的だったという事だ。
自分から計画の全てをペラペラと語ったリベリオは…こうなったら…と、腰の剣をと抜く。子猫をユイナ達が連れ戻ってしまったため、計画は上手く行かない…力づくで押し通そうとする様だ。
まずは…と、リベリオが剣を向けたのが、ヒューザ及びユイナ達…子猫とマンマーを倒す邪魔になる者として冒険者であるコチラに狙いを定めた様…。
さっとやって来たヒューザが、ユイナ達の所から子猫を受け取り、ソーミャと子猫を連れて下がる。
自分が子猫とソーミャを護衛している間にリベリオの事はユイナ達でどうにかしろ…そういう事だ…。
「ただの届け物にしては受取人が随分やっかいやな…」
ふぅ…と息を吐きながらもリョウは既に戦闘態勢で自分も剣を構える。
「子供を攫うような悪い猫はお仕置き!」
ネネが短剣をサッと手にして、リベリオと向き合う。
「強化します~」
そうして…ユイナ達は子猫の誘拐犯であったリベリオと対峙した…。

