辿り路6 ~通り過ぎた行き先~
「ネネちゃん…ここがガタラ?」
駅から出て町を見回す。
「えー全然ちがーう! ここどこ~!?」
見れば…リョウは乗り込んで出発してすぐの時点で向かう先の違いに気付いていたようで、到着した町にと笑いが起こっている。
「あっれぇ?」
見回したそこは、ピンクが基調のまるでお菓子の家が立ち並んでいるような可愛らしい町…だ。
「乗り間違えちゃったぁ!」
方向は…合っていたようだが、到着先は違っていた様だ。ユイナ達が駅を出たばかりの所で騒いでいると、
「あらあらぁ? どうかしたのですかぁ?」
ふんわりとした様子の声が足元の方から…。視線を向ければ、こちらが困りごとなのか…と駆け寄って来てくれた人が居た。
彼女はこの町の住人である、「プクリポ」と言う種族の女性だ。もふもふした耳と尻尾と毛並を持つ姿で、小柄でとても可愛らしい。
ネネから事情を聞く間も、歌うような踊る様な…軽やかに楽し気な様子で話を聞いている。
「ふむふむ~そっかそっかぁ~」
うんうんと頷きながらこちらの話を聞き、
「ここはオルフェアの町だよ~。キーエンブレムならオルフェアの町長からも貰えるよ~。けれど、今は町長…なんだか忙しい様子なんだよね~」
くるくると回るように町を紹介し、ここで貰えるキーエンブレムの情報も与える。ただ、すぐに…とは行かない事情もありそうだという事も教えてくれた。
「ただ、彼と会えるかもしれない場所なら案内できるよ~。上手く彼が今抱えている問題に手を貸す事が出来たら、それでキーエンブレムも受け取れるかもしれないね!」
彼女はルプル…。町中の案内や、キーエンブレムを取得するまでの、道中まで一緒に付き合い、慣れた大陸の事は案内係になってくれる…そう言う。
元よりとても面倒見が良いタイプの様で、さっそく…と向かう先へと向かいながらも、この町の酒場へ行くための分かれ道や、宿の場所、この町に他にある施設や施設の位置、ルーラ登録の為の教会の場所なども、教えながら歩いて行く。
「まずは宿や教会の方から案内するね」
訪れた事がない町…今後ここで依頼を受けたり、キーエンブレム取得に向けて動くならば、ルーラは作って置くのが良い…そう言って、ルプルは町長の心当たりよりも先に、必要な施設のある通りの方へと案内してくれる。
「わぁ~」
町はどこを見ても可愛らしい様子で、建物だけでなく、住人達もとても可愛らしい雰囲気だ。
向かう先に見えた広場の噴水を見つけて、ネネが駆け寄っていく。それに続いてユイナ達も広場へと入るが、噴水にと駆け寄るより先、
「あれ?」
ネネが他に気付いた…そういう風にと立ち止まる。
「どうしました?」
今度は何を見つけたのかと、視線をたどれば、
「この町には珍しいご衣裳ですね」
少し住人達とは違った雰囲気の人物が広場に居た。
「あれはね~カササギさんだよ」
ルプルがそう紹介する。
「この時期だけ皆を特別な場所へと連れて行ってくれるんだぁ~」
彼の案内が無ければたどり着く事の出来ない里…そこで、この時期にはお祭りが開催されているのだという。彼はその里への案内人…。
それならさっそくと、彼にと話しかければ、彼は七夕に伝わる恋物語をと語って聞かせてくれ、一枚ずつ短冊を手渡すと、里へと案内してくれた。


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